東京都立川市。人間ドック、健康診断、健康増進を通じて、皆様の健康管理のお役にたちたいと考えております。

健康診断トピックス

第13回テーマ
お酒を飲むと顔が赤くなる人(フラッシャー)要注意!食道がんのお話

 みなさん、こんにちは。胃がん検診というと、もちろん胃がんを発見するために行いますが、我々は食道がんの発見にも努めています。食道は25cm程度の管状の臓器で、首から始まり胸の中を通って腹部にまでわたり胃につながっています。口からの食べ物を胃に運ぶ役割をしています。食道がんは日本では罹患率が緩やかに上昇しており、年間1万人が死亡しています。
 食道がんにはリスクファクター(危険因子)があるのをご存知ですか?
 リスクファクター①50歳以上の男性、②高度飲酒、喫煙者、③フラッシャー、④非常に熱い飲み物です。
 フラッシャーってなんのこと?フラッシャーとは少量飲酒後、顔が赤くなる、動悸、頭痛などのフラッシング反応を起こす人の事をいいます。みなさんも心当たりはないですか??
 そこで簡単にフラッシャーを見分ける質問を紹介します。

簡易フラッシング質問紙法
①現在、ビールコップ1杯程度の少量飲酒ですぐ顔が赤くなる体質がありますか?
②飲み始めた頃の1〜2年間はそういう体質がありましたか?
① か ② のいずれかが、“はい” のあなた、フラッシャーです。

 フラッシャーの飲酒家では食道がんと口腔咽喉がんのリスクが著しく高まります。血液検査の赤血球の検査にMCV(平均赤血球容積)が入っていると、そこからもリスクが分かるのです。MCVは飲酒によるエタノール及びアセトアルデヒドにより上昇します。そしてアセトアルデヒドが発がんに関与します。MCV≧106 fLは大酒家での食道癌のリスクが高いです。血液検査を見直してみてください。

 今まで怖い話をしてきましたが、食道がんはある程度予防ができることも分かっています。お酒を止めることで約60%、たばこを止めることで約50%の食道がんが予防できるといわれています。生活習慣の改善により食道がんを遠ざけることができるでしょう。そして何より大切なことは上部消化管検査(胃カメラ)を受けることです。それが早期発見、早期治療につながります。健康クリニックでお待ちしております。

(文責:医師 伊藤良浩)